[尾下研究室]



新4年生向けの研究室紹介



 はじめに

 このページでは、新4年生の配属研究室選択の参考のために、尾下研究室での創作プロジェクト・卒業研究について簡単に説明します。
 もし、もっと詳しく聞きたいことなどがあれば、遠慮なく、尾下の教官室(W623)や学生の研究室(E623,W609)まで質問に来てください。電子メイルで質問してもらっても構いません。

 創作プロジェクトと卒業研究

 本学科の4年生の研究は、創作プロジェクトI・II(4年前期)、卒業研究(4年後期)の科目に分かれています。学科の方針では、「創作プロジェクト・卒業研究は、選択必修科目ではあるが、基本的に両方とも履修すること」となっています。尾下研究室でも、基本的にこの方針を前提として、1年間の計画で進めていきます。
 具体的には、創作プロジェクトを始めるに当たって、まず最初に、卒業研究のテーマを大まかに決めます。これは、具体的な目標があった方が、基礎的な勉強を進めやすいからです。
 もし、どうしても創作プロジェクトのみの履修を希望するという学生(卒業研究を履修しない学生)がいれば、個別に相談して、なるべく創作プロジェクトのみで完結するようなテーマを決めます。

 創作プロジェクト

 創作プロジェクトでは、下記のような内容を行う予定です。
  1. C++プログラミング勉強会
  2. アニメーションプログラミング演習
  3. 英語論文読解(卒業研究に関連する英語論文を読んで理解する)
  4. ミニプログラムの作成を通じて、ソフトウェア設計・開発手法を習得
 まずは、研究を行うために必要な、基本的なプログラミング技術について勉強します。ここでは、Java(あるいは C)はすでに大体使えるという前提で、C++ やアニメーションに関するプログラミングの基礎を学習します。
 また、並行して、自分の研究テーマに関連する専門書や、最新技術に関する論文(英語論文)を読んで理解します。英語が苦手な4年生も多いので、最初は、修士学生とペアになって、2人で1本の論文を読んでもらうようにしています。そして、論文を読んで理解した内容について、プレゼンテーションを行ってもらいます。
 最終的には、教科書や論文に書かれている既存の手法を実現するような、簡単なプログラムを開発してもらいます。このプログラム開発を通じて、プログラム設計の考え方や、実装技術などを習得します。
 創作プロジェクトでは、上記のような内容を通じて、文献などを自分なりに調べて新しい知識を学習する能力、プログラムを自力で開発できる能力、プレゼンテーション能力などを身につけることを目標とします。

 卒業研究

 卒業研究では、創作プロジェクトで学習した既存の技術を背景として、未解決の課題を解決するような新しい手法を研究します。
 たとえ卒業研究であっても、研究である以上、「いままで誰もやったことのない新しいことをやる」ということが重要です。新しいことをやるのですから、当然、誰も答えを知りません(指導教員も答えを知りません)。
 卒業研究では、このような未知の課題を、指導教員と相談しながら、自分なりに関連知識を勉強し、仮説を立て、プログラムによる実験を行ったりしながら、解決していきます。

 実は、社会に出ると、この「答えを誰も知らない」というのは日常茶飯事です。むしろ、これまでの大学の授業のように、教科書に答えが載っていることのほうが珍しいと言えます。
 卒業研究では、単に自分の研究テーマに関する知識を勉強するだけではなく、このように未知の課題にぶつかった時に、自分なりにそれを解決していく基本的なやり方を身につけます。このような能力は、研究テーマと直接的には関係ないような企業に就職しても、必ず役に立つでしょう。

 研究テーマ

 本年度の卒業研究テーマの例として、下記のようなものを考えています。
 各研究テーマについては、システム創成特論で説明した内容や、研究テーマ紹介のページを参考にしてください。
 上記以外でも自分のやりたいことがある人は、是非、積極的に申し出てください。コンピュータグラフィックスや関連分野の内容であれば、できる限りサポートします。

 研究室の方針

 創作プロジェクト・卒業研究では、基本的に、それぞれが指導教員と相談しながら自分の研究テーマを進めて行きます。
 週に2回程度のゼミを行います。ゼミは全員参加です。 卒業研究では、各自週に1度程度、各自の研究の進捗状況やアイデアをまとめた内容などをゼミで発表してもらい、みんなで討論します。 創作プロジェクトでも、各自が勉強した内容や、卒業研究テーマに関連する英語論文などを読んで、2週間に1度程度発表してもらいます。

 ゼミ以外の時間については、各自の進捗状況に合わせて、指導を行います
 研究が順調に進んでいる人については、ゼミ以外の時間は基本的に自由としますので、各自のペースで研究を進めてもらって構いません。
 一方、研究が遅れている人については、毎日少しずつでも確実に進めていけるように、朝10時〜夕方5時の間は必ず研究室に来て、毎日1日分の課題を決めて、課題が終わったら帰る、ということをやってもらいます。なかなか自分の意志では計画的に進めることができない人もいるようですので、研究が遅れ気味の人でもきちんとついていけるように、早いうちから細かい指導を行うようにしています。


 研究環境

 尾下研究室は、2003年度に開設された比較的新しい研究室です。比較的自由な雰囲気で卒業研究を進めることができると思います。
 他の研究室よりも部屋がやや広く、1人当たり1〜2個の机が使えます。パソコンも、比較的高性能なパソコンを、一人一台は使えるようにしています。
 研究室には、ゼミ用の大机・液晶プロジェクタ・スクリーンが設置されており、必要に応じていつでもゼミなどを行える環境が整っています。

 本研究室には、モーションキャプチャシステム、データグローブ、高解像度カメラなどの研究設備が整っており、最先端の研究を行うことができます。
 また、本研究室では、研究用データ作成のために、プロ用のアニメーションソフト(3ds Max, Softimage XSI/3D, Animanium, LightWave, Shade)、動画編集ソフト(Premire, After Effects)、画像編集ソフト(Painter, Photoshop, Illustrator)、各種素材集などを用意しています。これらのソフトは自由に使えますので、CGやアニメーションの製作、関連業界への就職などに興味がある人は、これらのソフトの使い方なども学習することができます。

 よくある質問と回答

Q. プログラムが不得意な人でもやっていけますか? 私は、C/C++は全然使ったことがないのですが?
A.  C/C++ の経験はなくても構いません。しかし、プログラミングが不得意(嫌い)という人は、本研究室には向かないと思います。
 プログラミングで重要なのは、プログラミングの基本的な考え方を理解しているかどうかです。 Java でも何でも良いので、何らかのプログラミング言語を使えれば、これまで C/C++ をほとんど使ったことがなくても問題ありません。 これまでのプログラミング関係の講義や演習に、問題なくついていけた人であれば、多分大丈夫でしょう。 逆に、これまでの講義や演習にあまりついていけなかったという人は、よほど頑張らないと難しいでしょう。
 もちろん、就職や卒業研究を行う上で重要なことは、研究や仕事の内容に興味を持てるかどうかです。 しかし、実際の研究や仕事では、いくらやる気や興味があっても、技術がともなわなければ意味がありません。楽しいことをやるためには技術が必要です。 研究テーマには何となく興味があるけど、プログラミングなどの勉強はあまりやりたくない、という人はあきらめた方が無難でしょう。
 逆に、プログラミングなどの技術を磨きつつ、自分の興味のある研究テーマをやりたいという人には、この研究室は向いていると思います。

Q. 私は、コンピュータゲームはほとんどやらないのですが、この研究室には向いていませんか?
A.  そんなことはありません。
 本研究室の研究の主な応用として、コンピュータゲームなどの、インタラクティブアプリケーションが挙げられます。 しかし、コンピュータゲームはあくまで応用のひとつであり、実際には、制御理論、動力学、生体力学、幾何学、解析、自然言語処理、画像処理、グラフ理論といったさまざまな技術をどのように現実の課題に活用するか、というのが重要なポイントになります。 こういった一般的な基礎技術に興味がある人であれば、十分に意欲を持って研究を進められると思います。
 逆に、いくらコンピュータゲームを遊ぶのが好きであっても、プログラミングが不得意(嫌い)な人や、現在のゲームに満足していて改善の必要性を感じないような人は、研究として取り組むのには向いていないでしょう。 むしろ、コンピュータゲームをあまりやらない人の方が、新鮮な視点から新たなアイデアを考えられる、ということはあると思います。
 ただし、研究の最終的な応用としては、やはりコンピュータゲームやコンピュータアニメーションを対象としていますので、コンピュータゲームに限定する必要はありませんが、ゲーム・映画・アニメ・漫画などなんでも良いので、広い意味での映像作品の制作に興味があることが望ましいでしょう。

Q. 大学院に進学するかどうか迷っているのですが、どうしたら良いでしょうか?
A.  一般に、工学系の仕事につく場合は、大学院に行くことが望ましいと言われています。より高度な仕事(言われた作業をやるだけではなく、自分で積極的に考えて問題を解決していくような仕事)につける可能性が高くなりますし、結果的により高い給料をもらえる可能性が高くなります。
 基本的には、十分な基礎学力と勉強意欲があり、金銭的な事情が許すならば、なるべく大学院で勉強することをすすめます。
 ただし、大学院で研究をするためには、十分な基礎学力や勉強意欲が必要です。これまでの講義や演習とは違い、個人ごとに別々の研究に取り組みますので、友達に答えを教えてもらうようなことはできません。また、きちんと一定のペースで自分の研究を進めていく必要があります。
 これまでの講義や演習で、自分ではなかなか課題を進められなかったり、分からないとすぐに投げ出してしまったり、いつも友達に教えてもらったりしていたような人は、大学院で勉強していくことは難しいでしょう。逆に、基礎的な内容が理解できており、きちんと努力ができる人であれば、これまでの成績はそれほど優秀ではなくとも、大学院で勉強してレベルアップしていくことはできると思います。
 最終的に、進学するかどうかは、家族とも相談して、よく考えて決めてください。

Q. 尾下研究室に入ると、どのような企業に就職できますか?
A.  どこかの研究室に所属するだけで、何らかの企業に簡単に就職できる、というような甘い話はありません。基本的には、就職は、個人の能力次第です。
 これまでの尾下研究室の卒業生は、一般の情報系の企業(コンピュータグラフィックスとはあまり関係のない企業)に就職している人が多いようです。
 特に、大学院に進学しない人は、1年間では専門的な知識はほとんど勉強できませんので、卒業研究では、上に書いたような「基本的な問題解決のやり方を少しでも学ぶ」ということがメインになります。研究室と就職先は、あまり関係ありません。
 大学院に進学する人については、研究室で勉強した内容も問われますので、研究を通じてプログラミング能力を磨いたり、注目されるような研究をしたりしておけば、情報系の企業に就職する場合などには、大いにアピールできる(採用される可能性が高くなる)でしょう。
 また、ゲーム制作やアニメーション制作の分野の企業への就職を希望する人も、努力すれば、採用される可能性はあるでしょう。これまで、尾下研究室の卒業生からは数名、ゲーム関連の企業に就職しています。

Q. それでは、どうしたら(何を勉強したら)、うまく就職できますか?
A.  どのような学生を採用するかは、各企業の判断次第ですが、一般的には、「何を勉強したら就職できますか?」といった質問をするような学生は、採用されることは難しいでしょう。多くの企業(技術者を採用しようとする企業)では、就職に役に立ちそうなことだけを勉強してきた学生よりも、何らかの技術に興味があって(それが就職に役に立つかといったことは関係なく)自分で意欲的に勉強してきた学生の方が、好まれます。
 多くの企業では、「コミュニケーション能力」を重視していると言われています。ときどき、コミュニケーション能力=他の人と仲良くできる能力、という思い違いをして、面接の際に、サークル活動やアルバイトの経験などをアピールしたりする人がいるようです。コミュニケーション能力とは、自分の知識・考えなどを理論的に相手に説明できる能力のことです。もちろん、一方的に説明をするだけでなく、相手の質問の意図を的確に理解して答えたり、相手の知識に応じて説明の仕方を柔軟に切り替えたり、といった双方向のやりとりも含まれます。これまでの授業でのレポートやプレゼンテーションで、きちんとこういった能力を意識して身につけており、きちんとアピールをすることができれば、採用される可能性は高いでしょう。
 英語ができるかどうか、ということは、コミュニケーション能力とは直接関係はありませんが(英語が得意だからと言ってコミュニケーション能力が高いとは限らない)、英語もできた方が良いでしょう。最低限としては、辞書を使いながらでも良いので、英語で書かれた論文や技術資料を理解できる能力は必要でしょう。さらに、書く・聞く・話すこともできれば、なお良いでしょう。
 後は、上にも書いているように、技術を身につけていることや、何らかの興味を持つ対象がありそれを勉強してきていることが重要でしょう。ただし、ただ「・・・の技術を持っています」「・・・に興味があります」といったことを言うだけであれば、誰でも出来るので、無意味でしょう。例えば、プログラミングの技術であれば、「授業内や授業外でこのようなプログラムを開発したことがある」「どのような点が難しかったがどのような工夫で解決した」「他の人からどのような評価をもらった」といったことを具体的に説明できれば、自分の能力や興味を示すことができるでしょう。逆に、これまで漫然と単位を取得してきたという人で、特に得意なことや興味があることを具体的にアピールできない人は、厳しいでしょう。
 もし、上記のような能力・技術が現時点で身についていない場合でも、4年生の創作プロジェクトや卒業研究を通じて、習得・向上していくことは可能でしょう。


 その他、何か聞きたいことなどがあれば、遠慮なく、尾下の教官室(W623)や学生の研究室(E623,W609)まで質問に来てください。

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